日合連の取り組み環境への取組み

私たち日合連は、「合板」「木材」を通じて
地球環境にやさしい事業を推進し、
持続可能な開発目標(SDGs) の達成に貢献しています。
木をいかに有効に利用・活用するかが私たちの使命であり、
今この地球上に生きる人類だけではなく、
未来永劫この地球に生を受ける人類・生物にとっての
健全な生活基盤を築いていきたいと考えています。

国産材の積極的な活用

地球温暖化による環境への様々な影響が問題になっていますが、その大きな要因として熱帯雨林等の急速な劣化・減少があげられています。日本の合板業界では、戦後の復興期・高度経済成長期に合板生産量が急増し、その原料の大半は東南アジアからの天然広葉樹木材(ラワン材)でした。その後、地球環境保全の観点から、1990年代以降、有限な資源である熱帯の天然広葉樹木材から、針葉樹木材への原料転換を図ってきました。

そして、国産合板生産量に占める針葉樹合板生産量の比率は、2003年に50%を超え、2018年には96%に達しました。特に、スギ間伐材や小径木などの国内産木材を活用しており、2018年には合板用原木の85%(約449万m3)が国産材で、森林の整備促進や、国内林業の活性化などに貢献しております。

木材は再生可能な資源

化石エネルギー、鉱物資源は人の手で生み出すことはできません。人類はそれらを享受し経済成長という形で恩恵を受けてきました。石油鉱業連盟は「世界の石油が枯渇するまであと68年」(2007.11.29)と予測するなど、危機感は近未来の現実として捉えられています。
リサイクルと資源の循環とは決定的に違います。たとえば、ペットボトルのリサイクルは可能ですが、ペットボトルの原材料を造り出すことはできません。
しかし、木材は再生産できる資源です。「伐って、使って、植えて、育てる」という永遠の緑の循環により、森林の持つ多面的機能を高度に発揮することができる有益な資源です。

とことん使う、
木質資源のリサイクル

住宅や家具など、様々に形を変え利用された木材・合板は、年を重ね廃棄されてその役割を終えるわけではありません。私たちはそれらを再生可能な資源と捉え、合板を造る過程で出る剥き芯や合板の端材などとともに、パーティクルボード(PB)や中質繊維板(MDF)に加工し再利用(マテリアルリサイクル)しています。さらに、再利用のできない廃材や丸太の皮(バーク)、使用済のPBやMDFなどは、バイオマスエネルギーとして発電資源として利用(サーマルリサイクル)しています。
私たちは、自然の恵み、育てた恵みである木質資源を、大切にそして徹底的に活用しています。

マテリアルリサイクル

サーマルリサイクル

合板は製造にも
環境負荷をかけません

合板を製造するのに消費するエネルギーは、鋼材の1/38、アルミニウムの1/160。また製造時の二酸化炭素の排出量は、鋼材の1/34、アルミニウムの1/141と、合板はまさに環境にやさしい素材と言えます。(※同体積(1m3)製造する場合の比較。)
合板は、その製品の中に炭素をストックしています。例えば厚物構造用合板ネダノン1枚の炭素量は、24mm厚の合板1枚の重量が約17.9kg(比重0.45として計算)、その約45%の8.1kgが炭素量とされるので、CO2換算量はその3.66倍で29.6kg/枚となります。

製造時の消費エネルギー比較

出典:岡崎 他:炭素ストック、CO2放出の観点から見た木造住宅建設の評価、木材工業 53.161-165(1998)

製造時の二酸化炭素の排出量比較

出典:国土交通省建設経済局労働資材対策室:建設労働資材需要実態調査報告書 P.114-121(1990)

木造住宅は炭素をストック

住宅のー戸当たりの建設時の工法別二酸化炭素排出量を比較すると、木造住宅は鉄筋コンクリート造の約1/2となっています。
また、木造住宅(延べ床面積136m2)が貯蔵している炭素ストック量は、平均して約6tにも及びます。また、RC造や鉄骨プレハブ住宅ではそれぞれの1.6tと1.5tと、木造の1/4となっています。
我が国のすべての住宅がストックしている炭素量は、日本の全森林がストックしている量の18%を占めています。まさに住宅は第二の森林と言えます。積極的に木材を使うことは、森林・樹木をイキイキとさせ、地球温暖化を抑制します。

2011年に開かれたCOP17(気候変動枠組条約 第17回締結国会議 於:南アフリカ共和国・ダーバン)において、国内の森林から生産された伐採木材製品(HWP)の炭素については、これまでの伐採時排出というルールから、木材製品として使用された後、廃棄された時点で排出量を計上できるルールに変更して合意され、木材製品が吸収源対策として有効であるということが国際的に認められました。

2015年のCOP21では、先進国、開発途上国を問わず全ての締約国が参加する法的枠組みである「パリ協定」が採択され2016年11月に発効しました。2020年以降の気候変動対策の枠組みである「パリ協定」の下でも、引き続き、我が国の森林は吸収源として認められるとともに、伐採木材製品(HWP)については炭素蓄積量の変化を温室効果ガスの吸収量又は排出量として計上されます。
2016年5月に閣議決定された「地球温暖化対策計画」では、2020年度の温室効果ガス削減目標を2005年度比3.8%減以上、2030年度の温室効果ガス削減目標を2013年度比26%減と設定されました。各削減目標のうち、それぞれ約3,800万CO2ton(2.7%)以上、約2,780万CO2ton(2.0%)を森林吸収量で確保することを目標としています。このため、2013年度から2020年度までの間において年平均52万ha、2021年度から2030年度までの間において年平均45万haの間伐の実施や地域材の利用等の森林吸収源対策を着実に実施する必要があります。
このため、間伐材等の利用拡大が重要となっています。

住宅1戸当たりの建設時の
工法別二酸化炭素排出量

出典:建築物総合環境性能評価システム(CASBEE)に基づく試算

炭素ストック量

出典:国土交通省建設経済局労働資材対策室:建設労働資材需要 実態調査報告書 P.114-121(1990)

違法伐採を根絶するために

違法伐採は、熱帯地域等の森林破壊の要因の1つとなっており、地球環境の保全、持続可能な森林経営にとって重大な問題となっています。私たちは、これまで「違法に伐採された木材は使用しない」という基本的な考え方に基づいて事業に取組んでまいりました。違法に伐採され、低コストで輸出される木材は、その生産国だけでなく、消費国における健全な森林経営をも著しく阻害してしまいます。

私たちは、林野庁ガイドラインに基づく合法木材供給団体認定方式により合法性が証明された原木を使用し、グリーン購入法に基づく合法証明材を供給し、皆さまの信頼に応えてまいります。

「合法木材」普及推進のシンボルとして定められたマーク

積極的な植林活動への参画

我が国の令和元年度のエネルギーベースの食料自給率は38%。今その低さが問題になっていますが、平成2年の木材自給率は19%しかなかったことをご存じでしょうか。その後、国産材利用拡大の推進により、令和元年には38%にまで回復しましたが、長年低価格な輸入木材に押され、国内の森林経営が健全に行われていないのが現状です。これは、地球規模で捉えた場合の森林資源のあり方、我が国の地球環境への貢献という視点においても、決して見過ごすことのできない課題です。
「木」を経営資源としている私たちは、「木の循環サイクル」を維持するために、国産材の使用を一層推進するとともに、行政・関係団体・地域の皆さまと連携をとり、森林事業の原点である「植林」に積極的に参画してまいります。

日合連は、合板生産を通して
地球温暖化防止や森林整備の促進、
地域の振興などに資する
“環境創造産業”を目指します。
そして、「強い家は強い合板から」
をキャッチフレーズに、
地震や火災などの災害から、
生命と健康を守る
耐震性・耐久性に
優れた住宅を建設していただくための部材を
供給していく“住宅創造産業”を目指します。