
ご 挨 拶
ー木材自給率50%を目指してー
日本合板工業組合連合会 会長 井上 篤博
平素より日本の合板産業並びに日本合板工業組合連合会へ多大なご理解とご支援を賜り厚く御礼申し上げます。
本年5月25日に開催された本連合会の通常総会及び理事会において、私は日本合板工業組合連合会の会長に再選され謹んで就任致しました。平成16年5月44歳のとき本連合会会長に推挙され就任以来、3期6年間務めることができたことも皆様のご支援ご協力の賜物と心から感謝申し上げます。これからも日本の森林と合板産業の発展のために一生懸命精励して参りますので、倍旧のご指導ご鞭撻を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
さて、世界的な金融不安と先進国同時不況の様相を呈している中、我が国の新設住宅着工戸数は昨年788千戸と歴史的激減を記録しました。住宅・建設産業を主要な顧客とする合板産業は極めて深刻な状況を迎えてしまいました。
しかし、我が国の合板産業には、地球環境の保護と日本の森林の再生そして地震や風害などの自然災害から国民の安全と健康を守る住環境を充実させる使命がございます。そのことから合板産業は、スギ・カラマツ・ヒノキ等の国産材を2008年・2009年と2年連続で約200万立方メートル活用しました。輸入木材に押され木材自給率が戦後最低になった2000年の国産材利用量が約14万立方メートルであったことに比べると8年足らずで14倍以上に増大させることができました。地域林業の復興を通じて地域経済の活性化に繋がり日本の森林再生へ向け前進できたものと信じております。
これからも日本合板工業組合連合会は、現在も日本で利用されている合板の約60%がマレーシア・インドネシア・中国等で生産されたいわゆる「輸入合板」であることから、日本の森林資源の有効活用を通じた日本の森林再生にブレーキが掛かっている事実を訴え、貴重な熱帯雨林の保護と生態系維持のためにも日本の植林木を主原料とした合板の製造販売を一層拡大していくことと、国産材活用を推進することに必要な輸入原木または輸入単板の適切な輸入推進を図って参りたいと思います。
本年、日本合板工業組合連合会は、国際的には、WTO・EPA/FTAにおける合板輸入関税を維持すること、ロシア未加工木材の輸出関税の推移に注目しながら必要な輸入材の安定的確保を図ること等について、日本・マレーシア・インドネシア三ヶ国合板会議並びに日本・韓国・台湾三ヶ国合板会議等で情報交換をしながら我が国の森林と林業のために重要なことを訴えていく所存です。
また国内的には、関係省庁、都道府県、市町村等へ、日本の森林再生と地域経済の活性化のためには、地域林業の振興すなわち地域材を活用した合板の利用拡大が必須条件になることを訴え、そのご助力を賜りながら、国産合板の需要拡大を最重要課題として取り組んで参りたいと思います。9ミリ・12ミリの合板だけでなく24ミリ・28ミリの厚物合板(通称ネダノン)を住宅の床、壁、屋根下地などあらゆる用途へ使用することで、住宅設計の自由化と釘保持力の維持性を高めた地震や台風に強い住宅建設を促進していくこと、住宅の内装やフローリング用合板だけでなくコンクリート型枠工事において利用される型枠用合板も熱帯雨林を主原料とした「輸入合板」ではなく国産合板を積極的にご利用いただき、日本の森林再生を共に実現していくことを、住宅産業並びに建設産業へアピールしていきたいと思います。
政府は8月上旬の臨時国会冒頭の首相記者会見で『日本の国土の7割は山に覆われているが実は日本で使われている材木の8割までもが外国からの輸入・・・林業が再生されれば直接的な雇用に繋がるだけでなくそこで伐採された材木を加工するといった仕事も発生し・・・林業再生を期待できる好機にある』と表明し、我が国の新成長戦略の柱の一つとして林業・木材産業の重要性を強調されました。また農林水産省並びに国土交通省は、国産材自給率50%達成のため「公共建築物等の木材の利用の促進に関する法律」を本年5月の通常国会で可決成立させました。
日本合板工業組合連合会は、この「森林・林業再生プラン」に則り、日本の森林再生と地域林業の振興を通じた地域経済の活性化、そして何よりも地球環境の保護と地震や災害から国民の安全と健康を守る住環境の充実を目指し、全力を挙げて、環境創造産業・住宅創造産業として一層発展できるよう一意専心努力する所存でございますので、これからも本会の活動にご理解とご協力を賜りますことを心からお願い申し上げます。
